弐■
今日、先輩に頼まれた用事で仕入先に行ったら
目を血走らせて気合十分の社長が出てきて、
「ポニーキャニオンさん(社名。仮名。)か!
ヨソいってくれや!
おたくんとこの仕事はウチやらへんぞ!!」
と。
俺はなんのことかさっぱりわからへん。
「いやーヨソゆうてもねー
お願いしますよー」
て言ったら
「ほんだら金ちゃんと払うんかいコラァ!!」
っていわれる。
「あぁ?!おっさんオンドレこらぁ俺の知ったこっちゃあるかボケぇ仕事もってきてやっとんのやからガタガタいわんとやりさらせ!!」
とはさすがに言いませんが。
まあとにかくややこしそうな話で面白いことになってきたわけです。
なんでも以前にウチの常務が頼んだ仕事で、
常務が何の相談もなしに請求書の値段書き換えて
請求どおりに金を払わんかったらしい。
今までに何度も。
んで俺は
「そらあきませんわなー
すいませんウチの常務が・・・
あ、でもね社長、
ボクええ情報もってきましたよ。
あんね、
常務今日で晴れて退職です。」
社長「え?
あのおっさん退職か!!
ははははははは!!!
こらええわ!!!
ほんまでっか?
それやったらおたくの仕事やりますわ!
イノウエさんも仕事もってきてくださいよ!」
「ほんまでっか」いきなり敬語。
「オイ兄ちゃん」→「イノウエさん」
まあそれからしばらく社長の漫談。
「ま、タバコでも吸うてくださいよ。
せやけどね、今日でしまいのおっさんの悪口言うのも
アレやけどね、
おたくとこの常務はとんでもない人間でっせ。
この商品でもそうですわ。ここのね -中略-
それでわしも頭きて
『どういうつもりやねん!話ならんわ!イてもうたろかワレ!』
ゆうてね、-以下省略-」
まあ始まって2分ぐらいで集中力の切れた俺は
「あーこの社長しゃべるとき口元と目元が中尾彬に若干似てるな」
「この社長結構な年やろけど髪の毛ふさふさしてんなー」
とか考えてました。
ほいで、
たばこをすいまくっている社長の腹の上に
パラパラ降り積もっていく灰を見ながら
レミオロメンの新曲、「粉雪」を
心の中で口ずさんでいたというのは
本当の話。
「あ、今年もスノボしたいな」
と思った
という話。
粉雪、あれええ歌ですな。